コミュニティマーケティングについて知る

1-2. コミュニティとは

コミュニティとはそもそも地域の共同体などを示す言葉でしたが、最近では地域という軸に限らず、共通の目的や趣味を持つ人々の集まりのことを指すようなケースも増えました。
コミュニティマーケティングにおけるコミュニティとは、「企業のファンである」「サービスのファンである」「プロダクトのファンである」ということを軸に集まる人々のことをいいます。

コミュニティの役割(企業視点)

企業から見たときのコミュニティの役割は、ものすごく平たく言ってしまえば ”口コミのプラットフォーム”です。もう少し詳しく述べると、以下のような性質があります。

  • コミュニティはコンテンツクリエイター
    熱のあるコミュニティではコミュニティの内側から自発的にコンテンツが生まれます。たとえば、「あるサービスを使ってみた体験談」が積極的にユーザー側からブログにあげられたりします。こういった生の声は企業が作るコンテンツよりも有益なコンテンツになりますし、ユーザーから上がる声をきいて企業も次の施策を考えることができます。
  • コミュニティはコンテンツエクスチェンジャー
    さらに、「あるサービスを使ってみた体験談」がコミュニティに共有されると、それに対する賛同やコメントなどがでてきます。こうした双方向でのコミュニケーションを通じて、更にコミュニティ内に拡散されます。拡散した結果、企業にとってまさにリーチしたい理想の客層にコンテンツが届くのがポイントです。「この製品を使ってみたらこんなによかった」という声を企業から聞くよりも、自分に近いひとが言っている方が説得力がありますよね?まさにファンがファンを呼ぶ施策といえます。
  • コミュニティはコンテンツアーカイブ
    コミュニティでシェアされた情報は、コミュニティの資産として保存されていきます。たとえば過去に開催されたコミュニティイベント、その際にスピーカーが用意していた登壇資料、そのイベントのレポートブログなど。コミュニティの名前で検索をかけた時に、そういったコンテンツへアクセスできるようにオンラインに集まるようなコミュニティ設計が必要でしょう。

つまり、コミュニティは企業にとってユーザーとコンテンツを共創するプラットフォームの役割があるということです。

コミュニティの役割(ユーザー視点)

一方、ユーザーにとってのコミュニティは、自己実現やセルフカスタマーサポートの場といえます。
たとえば、コミュニティの中でプレゼンスが向上すると、ユーザー自身のキャリアやビジネスにとってもプラスになることが多くあります。
たとえば、BtoBコミュニティの成功事例として挙げられるJAWS-UG。JAWS-UGは国内最大のクラウドサービス、AWS(アマゾンウェブサービス)のユーザーコミュニティです。JAWS-UGにおいては、コミュニティにとって有益な事例紹介や技術発表を積極的にしていた人や企業のところに更に多くの講演や執筆依頼が来るようになり、コミュニティの外へもプレゼンスが高まることで、結果的にビジネス的な問い合わせが増加するという傾向が見られます(事実、JAWS-UG初期からコミュニティに貢献してきた企業の多くが、現在AWSのプレミアパートナーに認定されている)。また、個人のプレゼンスやブランディングが高まることで、よりその技術にコミットできる職場との出会いや、よりよい待遇でのキャリアにも繋がりやすくなります。また、サイボウズ株式会社が提供するクラウド上の業務アプリ作成サービス、kintoneのユーザーコミュニティ・kintone Café 等、他のコミュニティでも同様のキャリアやビジネス的拡がりが見られます。その結果、コミュニティへの貢献度が高い人ほど、コミュニティからの離脱が少なくなりますし、そういう人を目標に新たな参加者が増えていくのです。
(この二つのコミュニティについては2章でもう少し詳しく取り上げます。)
また、コミュニティがある種のカスタマーサポートの役割を果たす場合があります。たとえば、サービスの使い方がよく分からない、こういう時はどうしたらいいのか…そういった質問に企業が答えるのではなく、ユーザー同士で実際の利用体験からのアドバイスをすることで、よりスムースに解決してしまうような例があります。困ったときの拠り所としてコミュニティが機能するのです。

まとめ

  • コミュニティマーケティングにおけるコミュニティとは、「企業のファンである」「サービスのファンである」「プロダクトのファンである」ということを軸に集まる人々
  • コミュニティは「コンテンツクリエイター」「コンテンツエクスチェンジャー」「コンンテンツアーカイブ」
  • コミュニティは、企業にとってコンテンツを共創できるパートナーになりえる
  • コミュニティは、ユーザーにとって自己実現やセルフカスタマーサポートの場になりえる

ここまでで、コミュニティマーケティングどんなものか、なんとなくご理解いただけたでしょうか?次節では、様々なマーケティング施策があるな中で、コミュニティマーケティングが効果を発揮するのはどんなシーンなのかをみていきます。