コミュニティマーケティングについて知る

2-2. kintone Café

kintoneとは、サイボウズ株式会社が提供するクラウド上のWebデータベース型業務アプリ構築サービスです。開発の知識がない人でもドラック&ドロップで自社の業務に合ったシステムを簡単に作成できます。さらに、開発の知識があればより高度なカスタマイズも可能、既に全国で6,000社以上の導入実績(*1)があります。
kintone Caféはそんなkintoneについて学び合うための勉強会コミュニティです。全国に34の支部が存在し、2013年末の発足以来すでに140回以上の勉強会が開催されてきました。

kintone Caféの事例からわかるコミュニティ設計の重要性

JAWS-UGの方が規模は大きいですが、プロダクトの種類の幅を考えると、JAWS-UGが7年がかりで行ったことを、ほぼ半分の期間でトレースしてきた形になります。
ここまで急速な広がりを見せたのは、ユーザーと企業がまさにコミュニティの設計を共創してきたからでしょう。kintone Caféの特筆すべき点は、ユーザーの勢いや熱量を、制度設計によってうまく全国に伝播させたところだといえます。

明言化されたコンテキストの存在

kintone Caféでは初期段階で設計された理念がしっかりと今でも継承されています。第3章で詳しくお伝えしますが、拡大するコミュニティにはメンバーのなかで共有できる「コンテキスト」が必要です。kintone Caféでは以下の理念を掲げ、これに共感する人であれば勉強会の開催をできるとしています。

kintone Caféとは?(理念)
kintone Caféは、まだkintoneに触れたことの無い方から、より高度なカスタマイズを行いたいと考えているプロフェッショナルの方まで幅広い層を対象に、 楽しく学び・教え合うことで、kintoneの魅力や活用法をみんなで共有するための勉強会コミュニティです。
kintone Caféが目指すところ
kintoneを、今や社会人としての必須スキルであるExcelと同じくらいあるいはそれ以上の存在に育て・普及させていくことを目指します。
また、kintone Caféを核としたkintoneエコシステムを醸成し、コミュニティに参加・貢献する企業・個人にとってメリットのある場にしていきます。

引用:http://kintonecafe.com/about_kintonecafe/

エバンジェリスト制度

2014年の4月、cybozu.com developer networkの開設とともに開始されたのがkintoneエバンジェリストの制度です。kintoneに関する技術情報の発信を積極的に行っている人に対してサイボウズ社から与えられる認定になります。AWSのプレミアパートナーの認定と似ていますが、これは企業の単位に送られるのではなく、「オープン」な場所での情報発信をしている「個人(エンジニア経験者)」に送られるものとなっています。公式では、”kinoneエバンジェリスト = 技術(発信)× 熱意(継続)”と定義され、2016年末の時点で日本全国に24名の方々がエバンジェリストとしてご活躍されています。(*2)
通常エバンジェリストというと、社内のエキスパートをアサインして広報活動に従事させることが多いですが、kintoneの場合は社外のユーザーもエバンジェリストとして認定しているのがポイントです。
サイボウズ社は、一般よりも先行したAPIの情報公開や先行動作環境などの技術的な支援や、イベントの共催、kintone hive onlineというkintoneプロダクトチームの公式ブログでエバンジェリストの活躍を紹介するなど、徹底的にエバンジェリストをサポートしています。
こうして日本全国で活躍する熱意のあるユーザーを巻き込むことは、地方コミュニティの活性化に大きな役割を果たしているといえるでしょう。

*1:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/cases/
*2:https://www.slideshare.net/kintone-papers/kintoneevangelist

BtoBビジネスのユーザーコミュニティとして、JAWS-UGとkintone Café、二つのコミュニティについてご紹介しました。コミュニティが、「コンテンツクリエイター」「コンテンツエクスチェンジャー」「コンテンツアーカイブ」であること、ユーザーの熱を上手に他のユーザーに伝える仕組みづくりをすることで、コミュニティの成長が促進されることがお分かり頂けたでしょうか?
次章では、これらの成功例の共通項を抽出し、拡大するコミュニティの秘訣とは何なのかを探っていきます。